世界拾遺記

映画ドラマ漫画の感想、博物館訪問記、だいたい同じことを言っている

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

アニメ『進撃の巨人』感想④:『誰かにとっての「正義」は他の誰かにとっての「悪」』なんてクソ食らえ

正義について考え続けろ 『進撃の巨人』アニメThe Final Season の広告ポスターに正義と悪の字が逆さに大きく書かれたものがあった。この世には「正義」も「悪」も無いとか、立場が違えば「正義」も「悪」になる、多様な「正義」を認め合えれば争いはなくな…

アニメ『進撃の巨人』The Final Season 70話感想②:ガビ、怒涛のおまゆう特大ブーメラン乱れ投げ

ガビの主張とその問題点 カヤの主張とその問題点 「話し合い」で炙り出された矛盾 カヤに怒鳴り散らし糾弾するガビの言葉はすべて、いわゆる「特大ブーメラン」だった。カヤをはじめ、島のエルディア人には先祖の犯したジェノサイドの罪があるとガビは言った…

アニメ『進撃の巨人』The Final Season 70話感想①:ガビとファルコの思想の違い ーなぜファルコはエレンとライナーの会話を理解できたのか

目次 ガビの「善良なエルディア人思想」の妄信 ファルコのガビの思想に対する態度 ブラウン家の家庭環境 ファルコがエレンとライナーの会話を理解できた理由 ファルコの思想とは ガビの「善良なエルディア人思想」の妄信 一見、ガビの思想は過激で偏重で彼女…

アニメ『進撃の巨人』The Final Season 69話「正論」感想:「想像の共同体」

目次 目次 「そもそも国ってのがまだわからんなあ」 そ れ な 駐屯兵団のオッサンが口にした「国」:主権国家 強者のルールへの強制 「人類」から「エルディア人」へ 鉄道建設 優秀な人間を13年で死なせるマーレ 優秀な人間を使い捨てるという搾取 リプロダ…

『マンダロリアン』感想ポエム:スターウォーズを好きでよかった

母よ、小4の時にスターウォーズを見せてくれてありがとう。まさかのEP6からの鑑賞だったが、おかげさまであれから十数年経った今、素晴らしい作品を楽しむことができています―。 とうとう観てしまったスターウォーズのスピンオフドラマ『マンダロリアン』。 …

アニメ『進撃の巨人』The Final Season 67話感想:「英霊」—祖国のための死に駆り立てる装置の登場

フロックの「英霊」発言 灯りに沿って低空で進む飛行船へ、地上での戦闘から兵士たちが続々と引き揚げていく。サシャから把握している限り死者6名と告げられ、自分が指揮した作戦で死者が出たことにうなだれるジャンに対し、フロックが放った言葉が衝撃的だ…

アニメ『進撃の巨人』The Final Season 67話感想:あの凶弾はなぜ放たれたのか

見てない被害を否定する=加害を否定する 66話感想でガビの、信じたいものだけを信じて被害者意識に浸る傾向について指摘した。 across2logos.hatenablog.com ガビの危うさの決定的な表れが、ガビの「私も見てない」発言だ。収容区への奇襲で亡くなった人々…

"日本人"よ、『熱源』を読んでくれ

とんでもない小説と出会ってしまった。 2020年1月発表の第162回直木賞を受賞した川越宗一氏の歴史小説『熱源』は、明治から第2次世界大戦終戦までの北海道と樺太で、日本とロシア、2つの帝国に翻弄されすり潰されそうになりながら生き抜いた実在の人物たちを…